恋するナポリタン~世界で一番おいしい愛され方~
恋するナポリタン~世界で一番おいしい愛され方~・・・
「今日、プロポーズの返事をしないといけないの。武の意見もききたくて…」
幼なじみ・佐藤瑠璃から入っていた留守電のメッセージ。
それを聞いたイタリア料理のシェフ・田中武は、夜の東京・表参道を走っていた。
瑠璃を見つけたとき、隣には先輩シェフである、一流イタリアン料理店オーナー・水沢譲二がいた。
「伝えたいことが、あるんだ。瑠璃、俺…」
とその時……ピアニスト・槙原佑樹が起こしたアクシデントにより、武は命を落としてしまう。
佑樹は奇跡的に助かるが、少しずつ取り戻した記憶は、なぜか武のものだった。
中学時代から、ことあるごとに瑠璃のために料理を作ってきた武。
見た目は違くとも、慣れ親しんだ武の料理を作る佑樹を許せない瑠璃。
しかし、武の想いを伝えるがためによみがえってきた佑樹の行動に、次第に瑠璃の心はうちとけていく。